勃起不全の初のジェネリック薬Viagra

 

FDAは本日、勃起不全erectile dysfunctionの治療薬の初のジェネリックバージョンViagra (sildenafil citrate)を承認しました。Teva Pharmaceutical Industriesは、ジェネリッククエン酸シルデナフィルを25 mg, 50 mg, および100 mgの錠剤で販売できます。この医薬品に関しては業者に直接お問い合わせください。

過去の6ヵ月間に心疾患や腎障害、肝障害、高血圧又は低血圧、脱水などの呈したことのある患者は、その旨を医師に伝えなければなりません。

FDAによって承認されたジェネリックは、ブランド名のある薬品と同等の質と効果を有します。ジェネリックの製造業者はブランド薬品の業者と同じ品質検査を受け、合格しなければなりません。

インドの薬は効果抜群

 

ジャカルタの空気の悪さのせいか昨日喉を痛め、今日は風邪気味となった。タイで購入した激安の風邪薬パラセタモールを飲む。この薬はイギリスではかなり一般的であり、イギリス人はちょっと調子が悪いなと思ったらすぐに飲むらしい。実際に服用するとすぐに元気が出る。とくに空きっ腹の状態で飲むと効果抜群だ。一応、食後に飲む薬なので注意したほうがいいが、調べてみたところほとんど副作用のない安全な薬だという。大量に服用すると肝障害を引き起こすことがあるらしいが、1日4錠ほどであれば全く問題ないのだろう。

 

インドでも風邪薬を飲んだことがあるが、あの真っ黒ででっかいカプセルは効果が異常なほど高く、それまで寒気がひどくて鼻水も止まらなかったが、飲んですぐに全く寒くなくなるどころか、皮膚の感覚がなくなり、気温が10度ほどであったが素っ裸になっても全く寒くなくなった。風邪は一発で治ったが、その後にうつ状態になり、木を見ると「あれで首を吊ろうか」などと考え始めたりするほど深刻な精神状態となった。薬屋で「熱が40度あるから最も効果のある薬をくれ」といって出されたものある。あの薬には一体何の成分が入っていたのだろうか。

機械翻訳:業界にとっては希望?それとも絶望?

 

 

業界内では機械翻訳に関する意見がはっきりと分かれています。本当に普及するのか、翻訳者は職を失うのか?しかし、訳文の質が相当ひどいのに本当に実用化されるのか?最終的には「ヒトか機械か」という事柄ではなく、「ヒトと機械」という事柄になるでしょう。

 

機械翻訳のアドバンテージは消費者にとって非常に魅力的です。

 

・安い:機械翻訳を利用すれば、本百社に依頼するよりもはるかにコストを抑えられます。公的に利用可能なGoogke Translateなどを使用すれば、コストは全く掛かりません。

・すぐに利用できる:テキストを誰かに翻訳してもらう時間がない場合、機械翻訳は最強となります。

・短時間で大量に訳出できる:短期間に大量のデータを翻訳しなければならない場合には、複数の翻訳者に依頼しなければなりません。

 

しかし、機械翻訳にはそのメリットと同様に制限があります。

 

・機械は慣用的に翻訳できない:結果として、機械翻訳では文法がめちゃくちゃになりやすいです。

・機械は文脈を読むことができない:記録に従って言葉を置き換えるだけなので、ユーモアなどを伝えることができません。

 

機械翻訳のこれらの制限は、文献や技術文書の訳出で大きな障害となりますが、高い品質の要求されない案件、たとえばディスカッションのサイトやヘルプフォーラムではあまり問題となりません。

翻訳会社ヘの応募メール:ほとんどはスパム扱い

ほとんどの翻訳者と翻訳希望者は新しいクライアントを見つけ出す方法を知りません。これを示すエビデンスは、彼らが翻訳会社の無意味なリストを買い続け、これらの会社に対して何の変哲もない普通のメールを何千通も送っているという事実です。

これらの翻訳者の多くは、2万円ほどする利用価値の無い翻訳会社リストを売る行商人と同じことをしています。

翻訳会社のコーディネーターや、小さな翻訳会社のオーナーが毎日毎日これらのメールを受け取るたびにどのように感じるかを想像してみてください。私は翻訳会社を経営しているわけではありませんが、この迷惑なリストに自分の名前が記載されているため、そのようなメールを受け取ることがあります。そのリストから省いてもらいたいのですが、方法がわかりません。

明らかなこととして、多くの人々はほんの2秒間のうちにこのような種のメールをスパムとして怒りながら削除します。とくに他の何千もの翻訳者と同じようなアホらしいフレーズを使っているとこの傾向が顕著となります。

20年以上前にはインターネット時代の到来前ということもあり、私も基本的には同じことをしていました(私のブログを読んでいる人の多くは忘れているでしょう)。イエローページに載っている翻訳会社のアドレスに履歴書を郵送していました。しかし、このようなことを5年続けた後、直接クライアントに連絡したほうがいいのではと考えるようになりました。

 

私たちはそれぞれが異なる強さと弱さを持っていますので、独自の戦略を立てる必要がありますが、スターティングポイントは全ての翻訳者で同じです。第一に、自分の得意とする分野で訳文を必要とするクライアントを予測しなければなりません。

すでに数年以上翻訳業をしているのであれば、この行動は次に示す2つの要因にほとんど依存しているので、難しいことではないはずです。

  1. 自身が好む案件のタイプ
  2. 今までに翻訳会社から多く受注してきた案件のタイプ

Rexulti(レキサルティ):米国でMDDと統合失調症の新薬誕生

 

 

大塚製薬(大阪)と H. Lundbeck A/S (Lundbeck) annは本日、the U.S. Food and Drug Administration (FDA)が、大うつ病性障害major depressive disorder (MDD)または統合失調症schizophreniaを呈する成人への治療における併用薬として Rexulti(brexpiprazole)を承認したことを発表しました。Rexultiは大塚製薬によって発見され、Lundbeckとともに共同開発されました。この2つの企業から共同販売される予定であり、米国では8月上旬にも患者に対して利用可能になると考えられます。

MDDまたは統合失調症の治療におけるRexultiの作用機序は不明です。しかし、 Rexultiの有効性はセレトニン5-HT1A およびドーパミンD2 受容体での部分的なアゴニスト作用、およびセロトニン5-HT2A 受容体でのアゴニスト作用を通して軽減する可能性があります。また、Rexulti はこれらの受容体やnoradrenaline alpha1B/2C受容体に対して高親和性を示します。

Rexultiは第二相および第三相臨床試験で被験者4,300名位上を対象に調査され、その承認は4件のプラセボ比較対照第3相臨床試験の結果に基づくものです。

成人へのMDD補助療法としてのRexulti

「MDDを呈する特定の患者にとって単剤療法monotherapyは不十分であるため、これらの患者は症状に悩み続けることになります」と、Michael E. Thase( MD,Professor of Psychiatry, Director, Mood and Anxiety Program, University of Pennsylvania School of Medicine,および試験調査員)は話します。「FDA承認に導いた臨床試験では、継続中の抗鬱剤療法にbrexpiprazoleを追加したところ、MDD患者のMDD症状が改善しました。」

MDDの補助療法として、Rexultiの有効性は、成人患者を対象に6週間にわたって行われた2件のプラセボ比較対照臨床試験で評価されました。

不安症状の有無に関係なく、患者はMDDのDSM-IV-TR基準を満たし、最初の1回から3回の抗鬱剤療法で十分な反応を示さず、さらに、8週間の単盲検ADTフェーズでも十分な反応を示しませんでした。両試験における主要エンドポイントは、MADRSの変化でした (Montgomery-Åsberg Depression Rating Scale)。

短期間の試験では24歳以下の患者で、抗鬱剤プラセボに比して自殺願望やその関連行動のリスクを上昇させました。抗鬱剤投与を受けた患者全員を観察する必要があり、とくに薬剤療法の開始から最初の数ヶ月は注意する必要があります。

成人における統合失調症治療薬としてのRexulti

「医師にとって重要なことの一つは、症状を改善させる薬と、忍容性の高い薬を見出すことである」 と医師のChristoph U. Correll(Professor of Psychiatry, Hofstra North Shore LIJ School of Medicine and Medical Director, Recognition and Prevention Program (RAP), The Zucker Hillside Hospital)は述べます。「統合失調症に対するRexultiの有効性を調査した臨床試験で我々は、目標の投与量範囲内で有効性と症状の改善を確認した。副作用として生じた体重増加は、患者の約4%で認められたのに比べ、プラセボ群ではその倍の患者数で生じていた」

再び高まる偏見

 血友病患者の孤立が深まりつつある。全国に三十余りある血友病友の会の組織が、二上二の例外を除いて活動休止の状態に陥り、息をひそめている。

 

 血友病患者やエイズへの偏見が深まりこそすれ解消されていないからだ。

 

 具体例の一つに九州地方のある患者がいる。彼は医師から、HIVには感染していないと告げられていた。しかし、彼の住む田舎の小さな町では血友病患者=非加熱濃縮製剤=HIV感染という構図が人々の心の中に定着し、血友病患者であるというだけで村八分にされている。彼だけではなく、家族全員が小さな町で孤立してしまったのだ。

 

 彼は自分の病気のために家族に迷惑がかかっていることを案じ、単身都会に出て住み始めた。正月も盆も実家に戻らず、町の人々が血友病の子供がその家族にいたことを忘れてくれるように願った。

 

 実家に足を踏み入れることなく、七年がすぎ、やがて八年目に入った。この青年にとってどれほど孤独で寂しい年月だったことだろうか。八年目に入ったときに母親が町中の彼のアパー卜を訪ねてみて驚いた。彼はやせ細り、病で伏せっていた。彼はエイズにかかっていたのだ。主治医が嘘をついていたのだ。

 

 主治医は自分の処方した非加熱濃縮製剤が原因でHIVに感染させた責任を恐れ事実を告げなかった。青年は感染告知されていないために、発症予防の治療も受けてはいない。長年の息をひそめたような生活のなかで、彼の心も体も不当に傷つけられていった。彼は今実家に戻って療養中だが、あまりのショックに精神の安定を取り戻せないでいる。彼は家に戻ったものの、人目を恐れて外出もせず家のなかの一部屋にとどまっている。当然近所の住民は知らずにいる。「秘密」を抱えた彼の家族の町内での孤立感は深まるばかりだ。

 

 こんな現実は、実は探すまでもなく数多く実社会に散らばっている。エイズに対ずる恐れから偏見はエイズ患者に向けられていると多くの人は思うだろう。だが、偏兄は増幅されたかたちで血友病患者とその家族全体に向けられているのだ。

 

 変わらない社会の実態を恐れて、冒頭に述べたように血友病患者たちがいま再び姿を隠そうとしているのだ。

 

 なぜこんなことがおきるのか。

 

 例えばHIVは感染ルートも明確に把握されており、感染力も弱いことなどは明らかだ。HIVは確実に感染予防のできるウイルスである。また、HIVに感染したとしても、今日ではエイズ患者の死亡率が下がりつつあるように、人類のエイズを克服しつつある。またなぜ血友病患者らがHIVに感染するような事態に陥ったのか、その理由と経過を含めて薬害エイズの全体像をよく知れば、血友病患者の立場に想いを寄せこそすれ、彼らを村八分にしようなどとはとうてい思わないだろう。

 

 心と体の両方を病んで自宅で療養を続けている先の青年は、主治医から告知されず嘘をつかれていた。コ一年前の一九八五年三月、帝京大学病院の安部英教授も同じことをしていた。

 

 当時、安部教授の患者がすでにエイズで死亡していたと『朝日新聞』によって報道され、患者たちは動揺していた。安部教授は笥逮、患者会を招集し、全員に対して安心するように呼びかけた。そのうえで、もし希望するなら、これから結婚しようとする人、すでに結婚している人には感染か否か告知しますと述べた。

 

 患者会ではアンケートをとり、ほぼ全員が告知を希望していろとの回答を得て、この結果を会報に掲載した。ところが、これを読んだ安部氏は激怒して会報を回収させた。そして患者の意向に反していっさいの告知をしなかったというのだ。

 

 その結果、発症予防の治療もしてもらえず急速に体調をくずしていった例を私は知っている。妻に二次感染させた例も知っている。同じ過ちが繰り返されているのだ。このような医師による犯罪的な事実とそれがもたらした結果をまず正面からみていくことが、同じ過ちを繰り返さないことにつながる。だが、私たちの社会はあまりにも、その種の知的訓練を欠いているのではないか。

 

 事件が山場を越えたからといって解決されるものではない。断片的な見方は同じ失敗につながる。社会も政治も経済も間題山積の今、これからの日本は、全体像を把握し、継続して考えることが必要だ。

 

毎日新聞に抗議、厚生官僚の厚顔

 薬害エイズ問題に最も早い時期から取り組み、良質な報道を続けてきた『毎日新聞』に厚生省が抗議した。

 

 事の顛末は一九九七年版の『厚生白書』の薬害エイズの部分から「菅厚生大臣が国の責任を認めたうえで、患者、家族の方々に心からお詫びした」との文章が消えたと、『毎日』が報道したことに始まる。『毎日』は、前年の白書に記されていたこの一文が今年になって削られたのはおかしい、「国の責任」は一年限りかと問題提起したのだ。

 

 対して厚生省は「菅厚生大臣の謝罪と国の責任を明記するとともに、厚生省としての反省の姿勢を示し、再発防止のための改革について記述しているにもかかわらず、これにまったく触れず国民に誤解を与える」と抗議した。

 

 そこで問題の白書を読んでみると、和解と謝罪については次のように記されている「菅厚生大臣は、裁判所の所見を真摯かつ厳粛に受け止め、……指摘された重大な責任を深く自覚し、反省して、患者および家族の方々に深Λリ衷心よりお詫びした」

 

 この文章からは、実は最も重要な点が脱け落ちている。それは、魚住裁判長(当時)が所見のなかで明確に指摘した「国に重大な責任あり」との点だ。当時の所見を今、読み返してみると、厚生省(国)は血液製剤の危険性について「十分な情報提供をしなかった」、「代替血液製剤確保のための緊急措置をとらなかった」、「販売停止などの措置をとらなかった」、それが「被害拡大につながった」、したがって国および製薬メーカーには「重大な責任がある」と、たたみ込むようにして「国の重大な責任」を指摘している。

 

 患者や家族の心を救ったのが、まさにこの点だった。長い裁判の過程で、厚生省が決して認めようとしなかった国の責任をきっちりと裁判長が指摘したことは、当然の、しかしこれまでの歴史のなかであまりにも長く無視されてきた正義を実現したとして高く評価された。裁判所から厳しく指摘されたこの点を、厚生省の面々は心に刻み込んで、二度と同じような失敗を繰り返さないための原点とすべきである。

 

 だからこそ白書には「国の責任を認めて謝罪した」との記述はとどめるべきなのだ。「国の責任」と書かずに「指摘された重大な責任を深く自覚し……」と書き直した白書の記述は記述とは似て非なるものである。決定的な文言を抜いたことで、質的に大きく変化した記述になったといえる。

 

 厚生省はこれを「紙面の都合」だと弁明したそうだ。だが白書には、菅大臣の前任者の森井忠良厚相が裁判所の勧告を受けて和解に応ずることを表明したとのくだりが書き込まれている。

 

 もし本当に紙面が足りないのであるならば、この文章を削ればよい。なぜなら森井忠良氏は、裁判所が先に述べたように、国に対してきわめて厳しくその責任を問う所見を出したときに「厚生官僚もよくみると、その時々でできる限りのことをしており、私は彼らによくやったとほめてやりたい」と信じ難くも愚かなコメントを発した歴史に残る暗愚の厚生大臣だからである。

 

 被害患者でなくとも森井氏のあまりの的外れにはいうべき言葉もないが、厚生官僚が森井氏について九七年の白書でも触れたということは、厚生官僚を「ほめて」くれた大臣へのそれなりの感謝の思いか。また反対に前述の菅大臣のくだりを削ったということは、菅大臣へのひそかなる、それだけに深い反発の表われかと、考えざるを得ない。

 

 『毎日新聞』に抗議した厚生省は真の意味での反省がまだ足りないのだ。

 

 薬害エイズをひきおこした欧米諸国では、血液行政を一本化し、責任の所在をより明らかにして薬害再発防止につとめる体制づくりが進んでいる。

 

 片や日本でも、薬務局が廃止されて組織改革は行なわれているが、それが真に薬害再発防止のためかは疑わしい。なぜなら、エイズが問題として取り上げられ始めた八四年から九七年の問に四度も組織改変が繰り返され、この間に厚生省は薬害発生の事実を隠したからだ。また、非加熱濃縮製剤の回収もせずに第四ルートの被害も出した。どこに責任があるのかも不明瞭にしてきた。『毎日新聞』に抗議する前に、厚生省は猛省せよ。       

 

 

読者からのメールで知ったミドリ十字の新疑惑

 

 しばらく前にホームページを開いた。さっそく読者からさまざまな反応をいただいた。そのなかにいくつか、取材に関しての貴重なヒントがあった。

 

 一つは「ウロキナーゼという薬を開発したのはミドリ十字社だった」という情報だ。この情報を追っていくと、薬害エイズを生ましめた構図が透けてみえるある関係にたどりつくのだ。安部英二元帝京大学副学長とミドリ十字の親しい関係である。

 

 謎解きの前に、ウロキナーゼがミドリ十字の薬であることになぜ意味があるのか、薬害エイズ問題で刑事告訴されている安部氏の裁判からいくつかの証言を拾ってみる。

 

 まずかつての安部氏の同僚、宮下秀雄氏の証言だ。氏は帝京大病院の病院長、第二内科の主任教授および第二内科長をつとめていた人物である。安部氏が第一内科の主任教授および第一内科長をつとめていたことからみて両者はほぼ同列の職種にいたことがわかる。

 

 その宮下氏が東京地裁の法廷で、一九八四年当時、HIVで汚染された危険な非加熱濃縮製剤から安全な加熱濃縮製剤に切り替えることができたのは安部英氏だけだったと証言した。{安部先生は第}内科の科長であり、血液研究室の責任者であり、そのうえ血友病治療の第一人者ですから、非加熱濃縮製剤を中止する立場にいたのは安部先生だけです」と宮下氏は述べたのだ。

 

 そして治療方針を決める絶大な権限をもつ安部氏はその権限を行使していた。具体例の一つとして浮上したのがウロキナーゼの投与だ。

 

 「脳血栓の患者に安部先生はウロキナーゼ療法を指示されましたが、神経専門の寺尾先生からウロキナーゼは使い方が非常にむずかしい。副作用も多い。非常に困っていると聞いたことがあります」と宮下氏は証言した。

 

 安部氏の愛弟子だった帝京大病院の木下忠俊教授も、安部氏は定年退職までウロキナーゼ療法を続けさせ、その投与を指示した事例は「数えきれない」と証言した。「(脳血栓の)専門の寺尾先生は、ウロキナーゼは血栓を溶かすには不十分だ、溶かすために大量投与すれば出血性梗塞をひきおこすという意見でした」とも木下氏は述べた。

 

 要は安部氏が専門医の反対意見も無視して脳血栓の治療にウロキナーゼを使い続けたということである。科長の権限は専門医の意見さえ無視できるほど強く、治療方針の決定はまさに「安部氏だけ」が行なっていたのだ。

 

 そのウロキナーゼはミドリ十字の薬剤であることを読者からの電子メールで知り、さらに調べてみると以下のことが判明した。

 

 ウロキナーゼはミドリ十字が大河内賞を受賞した薬剤で、当時ミドリ十字は全国で何度も大河内賞受賞記念講演会を開催していた。大河内賞はすぐれた科学技術を製品化したときに与えられる賞である。ミドリ十字の受賞記念講演会では安部氏が特別講演をしており、当時のミドリ十字の会長で今は亡き内藤良一氏と親しく話している姿もみられている。特別講演を行なえば、当然謝礼も支払われるだろう。

 

 こうした事情のうえに、帝京大病院で安部氏が専門医の反対を無視して定年退職の日までウロキナーゼの投与を指示し続けた事実を重ねてみると、安部氏は患者のために最善の治療を行なうというよりミドリ十字の利益を優先した、そのようにはかったのには安部氏とミドリ十字の親密な関係があったとの推測が説得力をもって迫ってくる。

 

 さらに安部氏は加熱濃縮製剤の開発で最も遅れていたミドリ十字のため、木下氏に対しサンプル検査も行なわせている。サンプルは試験薬の一歩手前の、製造条件も決まっていない未完成状態の薬だ。このような段階でメーカーの新薬の状態を専門医がみてやることは異例中の異例である。「安部先生は内藤元会長と深い親交がありました。われわれのところで研究をして開発に協力しようとしたと思います」と木下氏は証言している。

 

 メーカー密着のこの姿勢こそが薬害エイズを生んだ大きな原因の一つだ。それを示す事例をまた一つホームページへのメールで知ったことになる。感謝しつつさらにメールを待つ次第だ。