真菌性肺炎 Fungal pneumonia

真菌による肺感染症は増加しつつある。広域抗菌薬による菌交代症あるいは免疫抑制療法による白血球(顆粒球)減少、体液性・細胞性免疫の低下、ステロイド療法が誘因になっている。  病原体としてアスペルギルス、クリプトコックス、カンジダ、ムコールのほかヒストプラスマ、コクシジオイデ`スなどが挙げられるが、後二者はわが国ではほとんど見られない。検査法は気道分泌物や胃液からの真菌の検出であるが、健康者からも少数は認められるので、有意に検出される必要がある。血液で真菌血症を証明する。また真菌抗原の検出も確立されつつある。  予防対策として、菌交代の早期発見、急性白血病寛解導入期や顆粒球減少期における抗真菌薬の予防投与がある。  特異療法剤としてはアンホテリシンB、フルシトシンなどを用いる。