バルトネラ症 Bartonellosis

南米、特にペルー、エクアドル、コロンビアの標高750~2、500mの山岳地帯の谷に存在する風土病であり、病原体はBartonella bacilliformisという細菌でPhlebotomus属のスナバエに剌されて感染する。臨床型は発熱型(Oroya fever)と発疹型(Verruga peruana)に分けられる。発疹は血腫を思わせる丘疹であったり、潰瘍あるいは小腫瘍を形成することもある。病原巣はヒト。流行地域には5%に達すると思われる無症状保菌者が存在する。潜伏期は16~22日。アミノベンジルペニシリンやクロラムフェニコールが抗菌薬の中でも最も効果がある。病原体そのものにも効力があるが、しばしば併発するサルモネラ敗血症を防止する点が評価されている。治療しないOroyafeverは10~40%の致命率が示されている。