アガリクスって有害なの?

論文検索をしていたところ、アガリクスによる被害が目にとまりました。それは、アガリクスを使っていたがん患者が重度の肝機能障害を引き起こしたというものです。発表しているのは、国立がんセンターの医師です。健康食品とはいえ、まったく安全とは言えません。

一般に販売されている食品については、国が事前に審査を行う仕組みはないと断りながら、その結果は、アガリクス製品『キリン細胞壁破砕アガルクス顆粒』に、発がん作用があるとして、自主的な販売停止と回収を要請しています。

詳しくその内容を紹介すると、「キリン細胞壁破砕アガルクス顆粒」を目安量の約5倍から10倍程度、ラット(実験動物。マウスより大きい)に与えたところ、発がんすることがわかったのです。このときの検査では、「仙生露顆粒ゴールド」、「アガリクスK2ABPC顆粒」も調べましたが、この二つに問題はありませんでした。

厚生労働省では、引き続き、食品衛生上の危険の発生を未然に防止するために、必要な情報収集を行ていく、としています。そのあと、アガリクス製品に関して問題は起きていないようです。

しかし、発がん性があったことで、アガリクスに対する評価が大きく変わりました。

50歳代の女性が全身の掻痒感と眼球の黄染、褐色尿に気づき受診。最初は服用を否定したのですが、県央の維持増進に効果があると知人に勧められ、アガリクスを3か月にわたり服用していたことが判明。医師は肝機能場外を疑い、ウイルス性肝炎の検査をしましたが、陰性でした。アガリクスを原因物質と判断し、服用を中止してもらったところ、38日目に肝機能は正常に戻ったといいます。

60歳代の女性が「アガリクス茸」を服用して、半月後に発熱と全身倦怠感が現れ、総ビリルビン(肝臓や胆嚢の状態を知らせる数値)と管酵素が上昇しました。他の検査には異常がなく、薬物リンパ球刺激試験(患者の血液からリンパ球を分離して、疑われる薬剤と反応させてチェックする方法)でアガリクスが強い反応をしたので、肝障害はアガリクス茸による可能性が高いと診断されました。

アガリクスを使用するときはその製品の安全性についてチェックし、できれば主治医に相談してからにしたほうがよいでしょう。