自分で腰痛を治す「マッケンジー法」

保存的治療の多くは、医師や理学療法士が行っていくことから、患者さんは病院やクリニックなどに足を運ばないと受けることができません。要は受け身の治療です。しかし、マッケンジー法は自ら行うもので、いつでもどこでもできるため、効果も上がりやすいといえます。

腰痛体操は、万人に同じ体操を行いますが、人によってはその動きが合わないこともあるため、かえって腰痛がひどくなってしまう人もいます。これに対し、マッケンジー法は個々の人の腰痛に合わせた姿勢や医学的なエクササイズを指導します。また、マッケンジー法は痛みが強いときも、できる範囲で腰を動かしますし、これまで腰に悪いといわれていた「腰を反らす」動きもします。そういう意味では全く今までとは違った腰痛解消法と考えてください。

一般的に腰痛の治療と言えば、大きく手術と、手術以外の保存的治療の2つに分かれます。保存的治療には、腰を引っ張る牽引療法や患部を温める電気治療、痛み止めの飲み薬や湿布、注射(神経ブロックなど)などがあります。

マッケンジー法は、1950年代にニュージーランドのロビン・マッケンジーという理学療法士が考案した診療法で、腰痛のほか、首の痛みや関節痛などに有効とされています。まず、特有の方法で、その人の痛みの原因やメカニズムを診断し、必要な改善法を見極めます。治療では、一人一人の状態に合わせた改善法を実行するだけです。