Opsumit(マシテンタン)


肺動脈高血圧症(PAH)の成人患者を対象とした新薬「Opsumit(macitentan;マシテンタン)」が本日FDA承認されました。

Opsumitはエンドセリン受容体拮抗薬(endothelin receptor blockers)という薬剤クラスに属し、肺動脈を弛緩させて肺内の血圧を低下させます。

同薬の安全性と有効性は、被験者724名をOpsumitまたはプラセボに無作為に割り付けた長期臨床試験で確認されました。治療の平均期間は約2年です。運動能力の低下やPAHの悪化を遅らせる上で有効であることが明らかになりました。

同じ薬剤クラスの他の医薬品と同じように、Opsumitは発生中の胎児に有害であることから、妊娠中の女性には使用できません。女性の患者は同薬のリスク評価・リスク緩和戦略(Risk Evaluation and Mitigation Strategy )を通してのみ投与を受けることができます。この限定的な供給(restricted-distribution )プログラムでは処方者(prescriber)が同プログラムに登録して認可を受ける必要があります。また、女性患者の全員がプログラムに登録し、治療を開始する前に妊娠検査と避妊法を受けなければなりません。処方する側も適格者意外に販売してはいけません。

Opsumit治療で確認された主な副作用は赤血球数の減少(貧血)、感冒に似た症状(鼻咽頭炎[nasopharyngitis])、咽頭痛(sore throat)、気管支炎(bronchitis)、頭痛、インフルエンザ、尿路感染症( urinary tract infection)です。

Opsumitは、Actelion Pharmaceuticals社により販売されます。


肺動脈高血圧について

慢性の進行性疾患であり、肺移植をしなければ死に至ることもあります。心臓と肺をつなぐ動脈で発生する高血圧であり、心臓の右側に通常よりも大きな負荷がかかるため、運動能力の低下や呼吸困難を引き起こします。