JAK-STAT経路、CISファミリー

JAK-STAT経路

もともとインターフェロンのシグナル伝達機構の解析から見つかったものですが、現在ではサイトカイン一般のシグナルの中心的役割を果たしています。JAK(Janus kinase/just another kinase)はレセプターに非共有結合で会合しており、サイトカインのレセプターへの結合によって活性化されます。現在複数種類知られていますが、それぞれのレセプターによって活性化されるJAKは決まっています。またSTAT(signal transducer and activator of transcription)は6種類知られており、どのサイトカインがそのSTATを活性化するかなどよくわかっています。STATはチロシンリン酸化によって二量体し核へ移行してDNAの特異配列を認識し標的遺伝子の転写を制御します。

CISファミリー

別名、SOCSファミリー、SSIファミリーとも呼びます。CIS(cytokine inducible SH2-protein)はエリスロポエチンによって転写誘導される初期応答遺伝子としてクローニングされました。その後CISはSTAT5によって転写活性化されSTAT5を抑制する負の制御因子であることが明らかにされました。現在このファミリーには8個の仲間が知られています。JAB/SSI-1/SOCS-1はJAK型チロシンキナーゼと直接結合しその酵素活性を抑制することが証明されました。CISファミリーはサイトカインのシグナルを制御し、生理的にも極めて重要な役割を果たしています。