女性の体は年代によって全く異なる


女性の一生は、「思春期」「性成熟期」「更年期」「高齢期」の4つに分かれています。このうち性成熟期は、10代前後から閉経を迎える前のおよそ35年間を指しますが、この時期は前半と後半で分けて考えたほうがいいでしょう。

なぜなら、性成熟期の前半は、卵巣の機能が活発で女性ホルモンがしっかり分泌されるので、妊娠や出産に最も適した体になっているのですが、性成熟期後半は卵巣の機能が少しずつ低下して、女性ホルモンの分泌も減ってきます。区別して捉えたほうが、理解しやすいのです。

実際、性成熟期前半は妊孕性(妊娠する力)を守ることが大切になりますが、性成熟期後半は生活習慣病に対する管理など閉経後の健康を視野に入れたケアが必要となります。また、子宮頸がんは30代以降に、糸球体がんは50代以降、乳がんは40代以降に増加してきます。各年代に合わせた健診、がん検診も必要です。

ただ、現代女性のライフスタイルの多様化によって、「年齢だけで健康管理をするのは難しい」ともいわれています。

同じ40歳でも、すでに子供が巣立って育児期の人もいれば、子育て真っ最中の人もいます。そうかと思えば、これから子供を産もうという人もいますし、産まないという選択をされている人もいます。こういう状況からしても、この時期の女性は一つにまとめて「ここが問題」ということができないのです。

したがって、この時期に大切なのは、他人と比較せず、自分の体について自分で理解していくことです。その際、頼りになるのが婦人科の医師です。婦人科というと子宮や卵巣の病気の恐れがあるときにみてもらう場所と思いがちですが、実はメンタル面のトラブルやセックスレスなど、女性の心と体の健康を維持するための、さまざまな問題を扱っています。