ウコンの健康食品はからだにいいのか?

最近、テレビなどで一番よく見かけるのがウコンではないでしょうか。

二日酔いにならない、肝臓にいい、というのがうたい文句です。

私も知り合いの女性から、ウコンの健康食品を飲んでいるのだけれどいっこうに良くならない、と言われたことがあります。もともと肝臓がよくなかった彼女は、ウコンが肝臓を丈夫にすると聞いてウコンを粉末にした健康食品をとっていたのですが、飲み続けていても、ちっともよくならないというのです。

よくならない、つまりよくなったという実感がなければやめればいいと思うのですが、いつか効果が出てくるのではないかと思ってやめられないといいます。効果がないと感じるなら、やめたほうがいいよといったのですが、続けているようです。そのうち、肝臓の具合が悪くなって入院してしまいました。

ウコンの健康食品については、肝硬変の女性の症状が悪化し、亡くなるというケースが報告されています。また、岐阜大学の研究で肝障害がある場合にはいっそう悪化させる可能性があると報告しています。

ウコンを論文検索してみると、1518件の論文が見つかりました。「肝臓」というキーワードを入れて再度検索すると、25件の論文がありました。

その論文のほとんどが、ウコンによる肝臓への悪影響を示唆するものでした。慢性C型肝炎患者におけるウコン中の鉄の影響、ウコン摂取により重症化したと考えられる慢性肝疾患を有した2症例の経験、健康食品ウコンによる高脂血症、肝障害をきたした1例、健康食品による薬物性肝障害などです。

体にいいと思っていたウコンがよくないという論文が並んでいました。

最もその内容は、もともと肝臓に障害がある人がウコンを摂取した際に起こる障害で、健康な人でのものではありません。

国立栄養研のデータベースでも、「『肝臓の機能を高める』といわれているが、信頼できるデータは十分でない」としています。安全性に関しては、「食事に含まれる量であればおそらく安全と思われるが、過剰または長時間摂取では消化管障害を起こすことがある」としています。」

ウコンにはクルクミンという成分が含まれていて、アルツハイマー病の予防に有効であるというデータをかつて読んだことがりますが、これもあくまでも食事でとる範囲内のことです。

国立栄養研のデータベースには危険情報が多数掲載されています。有益であるという情報とともに、有害であるという情報もあり、判断は私たちがする必要があります。

ウコンのような健康食品に頼ることなく、飲みすぎ、食べ過ぎをしないようにできればいいのですが。