電子タバコ:ニコチン中毒への通り道?

電子タバコ( e-cigarettes)の人気はますます高まっていますが、タバコ中毒へ陥りやすくするリスクのあることがCMAJ(Canadian Medical Association Journal)の論説で指摘されました。

電子タバコは喫煙と同じような形で蒸気を吸うことにより、ニコチン以外の有害成分に暴露することなくニコチンを取り込む方法を提供します。」とCMAJの副編集長Matthew Stanbrookは述べています。

ニコチンを含む電子タバコの販売や宣伝、および輸入はカナダで禁止されていますが、ニコチンを含まないものは法律に抵触しません。しかし実際には、合法的に販売されている米国から国境を越えてくるので、カナダでもニコチン含有の電子タバコを入手することができます。米国では中学生と高校生の電子タバコ使用者が2011年から2012年にかけて倍増し、そのうちの10%はタバコを一度も吸ったことがなかった者です。

電子タバコ産業は、フルーツ風味や映画俳優の宣伝によってアメリカの若者に喫煙行動を真似するように仕向けています。そのため、喫煙しない若者の新世代は、電子タバコを通してニコチン中毒になったり、実際に喫煙するようになったりする恐れがあります。

最近の研究でニコチンパッチに対する電子タバコの長期的メリットが確認されなかったため、禁煙における電子タバコの有効性に関しては議論が行われています。また、電子タバコ使用者の多くはそれまでの喫煙ペースを維持することがわかっています。

タバコ様機器を持って吸入し、さらにニコチン用量を調節できることから、電子タバコは従来のニコチン代替療法よりも理論的に有効です。しかし、電子タバコは禁煙できない状態でのタバコ使用を補完し、それにより禁煙を長続きさせるだけかもしれないという問題もあります。