患者の国外流出があまり進まないワケ

患者流出の可能性が時々話題になっています。臓器移植などは現実に患者流出が起きている例です。
日本製品国際競争力がなければ、消費者は海外の製品を買うはずです。しかし、医療の場合には国際競争力が劣っても直ちに海外の医療機関を受診するとは限りません。
これにはいくつかの理由がありますが、最も大きなものは費用の問題と、不安の問題、距離の問題の三つです。
例えば肺高血圧症で、肺移植を国内の大学病院で受ける場合、全額自費のために3000万円以上の費用がかかることがあります。海外ではさらに高額になります。海外で高度医療を受けるには費用の問題が大きいのです。
またここまで高度な医療でない場合には、言葉の問題もあり、「あえて海外で治療しなくても」という不安も強いと思います。しかし、PETによるがん検診が韓国で花盛りであることもあり、今後は患者流出も含めいろいろなことが起きてくると考えられます。