スポロトリクム症

 皮膚の限局性真菌感染症。肉芽腫性小結節で始まり、ときに潰瘍化する。病巣は原発巣に限局する(限局型)こともあるが、原発巣からリンパ管に沿って、飛石状に転移病巣を生じて索状を示す(リンパ管型)ことが多い。また、まれに血行性に肺、骨、睾丸、副睾丸に病変を起こすこともある。世界中どこにもあるが、ブラジルに多く、わが国では年間約150例の報告があって、宮城県が北限のようである。土壌中のSporothrix schenckiiで汚染された樹木の棘や、細片に剌されて小外傷が生じたときに感染し、約3~10週間後に発病する。したがって、園芸家や農家の人に多い。病原巣は土壌、草木、材木。皮膚リンパ管系感染ではヨウ化力りウムの内服が特に効果がある。そのほかの病型では、アンホテリシンBとイミダゾール系抗真菌薬の内用が有効。病巣を懐炉などで40℃以上に温める温熱療法も有効である。