2014-07-01から1日間の記事一覧

インフルエンザ菌性髄膜炎

I 臨床的特徴 1.症状 インフルエンザ菌は細菌性髄膜炎の原因菌として首位にあり、生後3か月から3歳未満に好発する。上気道炎に引き続き比較的急に発病し、ほとんど常に菌血症を伴うが、ときに中耳炎などの隣接部位から波及する。主症状は発熱、食思不振…

新生児髄膜炎

新生児ごとに早期新生児期といわれる第1週の新生児・未熟児の髄膜炎では、髄膜炎の症状一所見に乏しく、無熱または低体温、元気がない、不機嫌、嗜眠状、哺乳力低下など何となくおかしいと思われる不定症状のみである。ときに呼吸障害、黄疸、腹部膨満など…

クリプトコックス髄膜炎

髄膜に加えて大脳皮質や基底神経核も侵される。初感染は肺である。免疫不全患者に好発する。感冒様症状に続いて頭痛で発症、髄膜刺激症状のほか、局所脳症状、精神症状を示すこともある。髄液は細胞数増多、時に正常、リンパ球増多、時に多形核白血球増多、…

スポロトリクム症

皮膚の限局性真菌感染症。肉芽腫性小結節で始まり、ときに潰瘍化する。病巣は原発巣に限局する(限局型)こともあるが、原発巣からリンパ管に沿って、飛石状に転移病巣を生じて索状を示す(リンパ管型)ことが多い。また、まれに血行性に肺、骨、睾丸、副睾…

スローウイルス感染症

スローウイルス感染症はほかの一般的なウイルス感染症とは異なった臨床的特徴を持っている。それは何年にも及ぶ長い潜伏期があり、いったん発症すると亜急性に比較的規則正しい経過をとって進行し、死の転帰をとるという点である。 病原体が既知のウイルスで…

亜急性硬化性全脳炎

I 臨床的特徴 1.症状 2歳以前に麻疹罹患歴を持つ小児に徐々に発症することが多い。麻疹ワクチン接種歴のないものが多い。学業成績の低下、人格変化、異常行動などで初発する。その後、ミオクローヌス、痙攣、錐体路・錐体外路症候、運動失調などが加わり…

細菌性赤痢

I 臨床的特徴 1.症状 主要病変が大腸に起こる急性細菌感染症である。発熱、腹痛、下痢、ときに嘔吐などによって急激に発病し、重症例ではテネスムスtenesmus (しぶり)を伴う頻回の便意を催し、便は便状の部分がなく膿粘血のみを少量ずつ排泄する。近年重…

腸チフス

I 臨床的特徴 1.症状 階段状上昇、稽留、弛張と続く特異な熱型(ただし下熱剤を使用すると弛張する)、比較的除脈、バラ疹、脾腫、便秘、ときには下痢、鼓腸などの症状で特徴づけられる全身性感染症である。回腸のパイエル板に特有な病変を生じ、その潰瘍…

 パラチフス

I 臨床的特徴 1.症状 腸チフスと臨床的には鑑別し難い。 2.病原体 Salmonella paratyphi。ファージ型で6型に分けられる。しかし、このほかのサルモネラによっても腸・パラチフス様症状を呈することもある。 3.検査 腸チフスと同じ。 II 疫学的特徴 1…

デング熱

I 臨床的特徴 1.症状 突然の発熱で始まり、熱は5日、まれに7日以上続き、ときに二相性、激しい頭痛、眼球深部の痛み、関節や筋肉痛、発疹を特徴とする急性熱性疾患。ときに全身に初期紅斑がある。発疹は通常発熱後3~4日に起こり、斑紋丘疹性またはし…

細菌性肺炎 

1 臨床的特徴 1.症状 上気道炎や中耳炎に続いて悪寒、戦慄とともに発熱し、咳嗽は乾性から湿性となり、呼吸は浅薄で促進し、不安状、乳幼児では陥没呼吸を示し、年長児、成人では呼吸困難を訴える。 2日後には粘性痰、一部血性痰、次第に膿性痰となり、…