2014-06-30から1日間の記事一覧

一般社会におけるブドウ球菌感染症:Staphylococcal disease in the community

I 臨床的特徴 1.症状 皮膚・皮下組織の病変 膿痂疹、毛嚢炎、病、膿、蜂巣炎、皮下膿瘍などの化膿性病変を起こす。局所の発赤、腫脹、熱感、疼痛などが見られ、病変が深部に及ぶ場合には全身の発熱、倦怠感、頭痛、食思不振なども見られることがある。 眼…

 リーシュマニア症の予防対策

A 基本方針 まず流行地をよく認識し、流行地ではサシチョウバエの剌咬を防止するため、できるだけ体の露出部分を少なくすることが必要である。サシチョウバエは残留性のある殺虫剤に対しては高い感受性があり、かつ飛行距離が限定されており、物体の表面に…

直訳から意訳、誤訳まで「翻訳型タイトル」

◇直訳系 「不都合な真実(An Inconvenient Truth)」(2006年)は、アル・ゴア元アメリカ副大統領が、世界各地で地球温暖化への警鐘を鳴らすドキゴ=メンタリー映画。真実を語る作品タイトルに、飾りも細工もいりません。直訳系で勝負! 史実にもとづく、クリ…

伝染病予防の原則

伝染病予防control of communicable diseasesの原則は、伝染病発生の3大要因を中心に、環境条件や宿主条件を加えて、総合的に対策を立てることである。次に各要因に対する対策を簡単に述べる。 なお、伝染病予防と防疫は本来同義語であるが、防疫を伝染病発…

検疫について

検疫の語源はイタリア語の40日間を意味しており、 1377年ペスト予防のためにイタリアのラグザ(現在はクロアチア共和国のドブロブエク)において、レバントおよびエジプトより入港する船を、初めは30日間、後に40日間繋留したのが始まりである。その後、検疫…

媒介動物対策

動物は病原巣あるいは感染源として病原体を保有する場合があるほかに、特に節足動物類は感染経路として病原体を運搬する役割を果たすことが少なくない。したがって、これらの有害動物の駆除は病原体対策としても、あるいは次に述べる感染経路対策としても重…

感受性対策

平常時における健康の保持増進策(休養、適当な栄養、鍛練、生活環境の改善など)は、非特異的ではあるが基本的に重要であるo特異的方法としては、予防接種、免疫血清やカンマグロブリンの使用、化学予防などがある。 化学予防chemoprophylaxisとは、化学療…

伝染病のサーベイランス

1)サーベイランスの意味 近年、伝染病予防に関する知識や技術が進歩し、特に試験検査法が発達したことは、感染者や発病者を早期迅速に把握することを可能にした。そのため検疫活動も、個人の行動制限を伴わないサーベイランスsurveillanceが主役を占めるよ…

わが国の結核・感染症サーベイランス事業

政府は、届出伝染病には指定されていないが流行状況を常時に監視する必要のある感染症の全国的な発生状況を週単位で、また病原体検索などの検査情報を月単位で収集、還元して適切な予防措置を講じ、これらの感染症の蔓延を未然に防ぐ目的で「感染症サーベイ…

病院感染とは

院内感染または病院感染はhospital acquired infection、 hospital infection、 nosocomial infectionと英語で呼んでいる。 古くから知られていたが、わが国でも近年医療の進歩複雑化に伴い、すべての医療従事者が院内感染に対し深い注目と関心を払うように…

院内感染の防止対策

院長を中心にすべての医療従事者が院内感染を防止するため、不断の熱意で対応することが最も望まれる。 1)院内感染対策委員会の活動 個々の病院の実情に応じ、院内感染対策委員会を設置することが必要である。委員会は病院長の諮問機関または対策の実施機関…

予防接種に関する考え方の変化

予防接種は、対象とする感染症の世界的状況の変化と、まれながら起こり得る副反応(健康被害)に対する国民の意識を反映して、次のような改変を迫られるようになってきた。 ① 予防接種対象疾患の変化: 三大疫病を始めとする重大伝染病の制圧により、予防接…

予防接種法改正の要点

予防接種法及び結核予防法の一部改正は、 1994年(平成6年)6月29日法律第51号をもって公布され、同年10月1日に施行されることになった。また、予防接種法施行令及び結核予防法施行令の一部を改正する政令と予防接種法施行規則の一部を改正する省令が同年…

全医療職の派遣解禁

医師、看護師の派遣を派遣サービス会社などが、2つの形で行えるようになった。03年3月には、介護保険対象の医療サービスを除く社会福祉施設などへの医師や看護師、PT(理学療法士)やOT(作業療法士)など全医療職の「派遣」が解禁された。 また、04年…

医師のアルバイト化

ネットでの医師紹介ビジネスは医師のミスマッチを埋めるビジネス これまで医師の派遣サービス会社への求人というと、アルバイトがほとんどだったが、的な傾向として、常勤医での勤務希望が多くなっているのが、現在の医師流動化現象における大きな特徴である…

「総合メディカル」の「DtOD」システム

医療機器のリース会社としてスタートした「総合メディカル」は、医療機関内に設置されたTVレンタルから薬局経営、医療コンサルティングまでを事業化する『医療の総合商社』である。 その総合メディカルが、医療機関および医師を対象に『サクシードメンバー…

看護師人材サービスを利用するメリット、デメリット

医療機関によっては、「誰でもいいからとにかく看護師を派遣して欲しい」という切実な訴えをするところもあるようだ。それほど深刻な看護師不足も、実はさまざまな要因から偏在しているのが実情である。この偏在を是正すると期待されるのが派遣サービス会社…

病院給食ナンバーワン企業

草創期から参入し、病院給食ナンバーワン企業に成長した「ワタキューセイモア」 「病院給食」の草分けは、『日清医療食品』である。同社の親会社は明治5年創業の『ワタキューセイモア』。もともと製綿業者としてスタートし、終戦後の昭和25年に綿久製綿とし…

日清医療食品

病院・老人福祉施設給食の分野では、シェアーナンバーワン、そして全国展開しているのが日清医療食品である。 顧客業種別を金額ベースで見ると病院56%、医院3・9%、老人保健施設15・4%、特別養護老人ホーム13・7%、病院内レストランー・9%となって…

メディカル給食業界で寡占化が進む理由

病院から給食業務を委託された場合、メニュー作成から実際の調理まですべて担当する場合と、部分委託される場合がある。前者の場合は病院側の管理栄養士がメニューを提出し、委託されている業者はそのメニューに沿ってメディカル給食を提供する。 業者側にと…

メディカル給食

衛生管理、作業手順、人的管理などの規則がある 「メディカル給食」には、食事を作る際の衛生管理、作業手順、人的管理など詳細について規則があり、こうした規定を守らなければ、病院はその業者に給食業務を委託してはならないことになっている。また、診療…

真空調理には治療食向けのメリットも

患者満足度の向上や経営効率化の観点から、病院の食事サービスのあり方を見直す動きも強まっている。院内の厨房で行う調理業務の外部委託はむろんのこと、病院外のセントラルキッチンでの院外調理が可能になったことや、前述した日清医療食品が始めた運びな…

「調剤薬局」が抱える諸問題

儲けの大きい調剤薬局商売を狙った参入で過当競争、生き残りサービス競争に突入 医薬分業率が右肩上がりを続けていることから、業績も右肩上がりと思われている「調剤薬局」だが、薬局が手にする調剤料の計算には日本独特の「日数・剤数倍制」が用いられてお…

なぜ中古医療機器市場が伸びているのか

高価な医療機器は「まずは中古から勧める」のがメーカー営業の実際 中古医療機器の業界構造は中古車市場と同じである。自動車メーカー系ディーラーでも新車と中古車を扱うように、医療機器メーカーも子会社などで自社の中古医療機器を扱う。その一方で、中古…

電子カルテ・オーダリングシステム導入のメリット

IT技術の進展により、医療現場では患者一人ひとりの医療情報をコンピュータで管理する「電子カルテ・オーダリングシステム」の普及が進められており、大手コンピュータソフトが激しい受注合戦を繰り広げているが、実際の普及はそれほどでもない。その理由…

医療材料の物品コードの標準化・統一化

処置・手術伝票(事後処理)の処理は、リアルタイムで情報データを抽出させる観点から処方箋と同様に統一し、現場で直接発生源入力(事前処理)できる体制が構築されなければならない。 これが可能なら、経営の効率化だけではなく、患者にとって情報が開示さ…

インターネットでのカルテ閲覧が浸透しない原因

医療に市場・競争原理を導入して、効率化を図り、病院経営を安定させるためには早く、正確な経営、統計情報を基にした、収入対費用の効果を分析して経営計画に役立たせていかなくてはならない。 そのためには経営・統計情報データが、ヒト・モノ・カネをリア…

医療廃棄物の処理問題

基本的に医療廃棄物だけを処理する専門業者はおらず、その点では不法投棄の尻ぬぐいをしている医療機関側に苛立ちが目立つのが、医療を含む産業廃棄物の不法投棄問題だ。 環境省が発表している産業廃棄物の不法投棄量で残存しているものは、04年3月末時点で…

「株式会社○○病院」が生まれた本当の理由

株式会社が運営しているトヨタ系病院やJR系病院などは「株式病院」ではないが、競争原理、市場原理にさらされているこれら企業は、企業経営の手法を用いて病院運営をしている。言うならば「準株式病院」という位置付けだ。だから、病院ランキング本ではい…

「セコム」の医療業界参入が与えた衝撃  

警備保障の最大手『セコム』は98年、破綻した倉本記念病院(千葉県船橋市)の土地と建物を買収し、それを法人へ貸し付けるという方式で病院経営に参画した。その翌年、病院名にセコムと入れようとし、これが大問題に発展する。セコムの入った病院名はまかり…