若い女性の間で肝硬変が急増

女性の社会進出により、男性と同じようにお酒を飲む女性が増えていますが、そういう方は特に注意が必要です。なぜなら、女性のほうが少ないアルコール量でアルコール性肝障害を起こしやすいのです。一般的には男性のの無料の3分の2ぐらいで肝硬変を発症するといわれています。

どうして女性のほうがアルコールに弱いのか。一つは体格の違いです。やはり体の小さい人のほうがアルコール代謝を行う肝臓も小さく、アルコールが代謝されにくいのです。

一般的にアルコール処理能力は、「100~140mg/体重(kg)/時間」といわれています。体重が70kgの人のアルコール処理能力は1時間に7~10gで、日本酒1合あたり約3時間かかりますが、50kgなら1時間5~7gとなり、日本酒1合あたり4~5時間かかってしまいます。

もう一つ、女性ホルモンの一つ、エストロゲンの影響もあります。

エストロゲンはご存じのとおり、月経や妊娠に関係しているホルモンで、初潮から閉経まで女性の健康を維持するのに大切な役割を果たしています。しかし、エストロゲンは肝障害の進行を早めてしまうことがわかっています。男性よりも肝臓の健康を損ないやすいというわけです。

アルコールが原因の肝硬変で病院に通っている女性の患者は、30代後半から40代の人がほとんどだそうです。男性の患者は50代~60代が多いので、それと比べても、女性では若い時期に肝障害を発症していることがわかります。