ナロキセゴル(Naloxegol)

アストラゼネカは本日、オピオイド誘発性便秘症(Opioid-Induced Constipation)に対する治療薬「ナロキセゴル(Naloxegol)」の安全性データを公表しました。同データを詳しく言うと、同薬25mgの1日1回投与の第Ⅲ相長期安全性および忍容性評価試験の結果です。

Naloxegolは治験中の末梢作用型μオピオイド受容体作動薬(peripherally-acting mu-opioid receptor antagonist )であり、非ガン性の慢性疼痛(non-cancer pain)を呈するオピオイド誘発性便秘症(OIC)成人患者を対象に臨床試験が行われています。データはカリフォルニア州サンティエゴで今年開催されたAmerican College of Gastroenterologyで提示されました。

長期安全性試験で得られたデータは、Naloxegolの安全性と忍容性を裏付けるものであり、OICに悩む数百万人のニーズを満たすことができると期待されています。

オピオイド誘発性便秘について

オピオイドオピオイド受容体という特定のタンパク質に結合します。オピオイドが胃腸管の特定のオピオイド受容体に結合すると、便秘が生じることがあります。OICの原因は水分吸収量の増加と胃腸管の運動性低下にあります。

長期疼痛の治療薬としてオピオイドを服用している患者では、その約45%がOICを呈しています。便秘はイライラや大腸がんを引き起こす百害あって一利なしの状態なので、この薬にお墨付きが付いて多くの人を救ってくれることを願います。とはいっても、市販薬のlaxativeを服用すれば50%の確率で便秘が解消するそうです。